肌寒い一日

気がつくとタオルケットにくるまって寝ていた。窓を開けたまま寝ていると寒さを感じていた。熱いお茶が美味しいと感じた。親父は昼から出かけた。昼から窓の外からあめの匂いがしてきて窓から外を見ると、コンクリートの地面が濡れていた。薄灰色の空を見上げても雨粒が見えない。水たまりに目を落とすと、波紋が広がっていた。蛍光灯のような光が空全体から薄く一様に注いでいるような天気だった。

雨は降り止まなかった。六時までには陽が落ちて窓の外の空間は黒く塗りつぶされて見えなくなった。見えていたのは街灯と、その光の反射した雨に濡れた地面だった。遠くから川の流れる音が聞こえる。地面を雨粒が叩く音は聞こえなかった。涼しかったので、風呂から上がったら外を散歩してみようかなと一瞬思ったけれど、思っただけだった。