八時ごろ起きたと思う。昨日はなかなか寝付けなくて最悪の気分だ。なのに眠くない。頭の中に重い気体でも入っているかのようだ。窓から入ってくる光が弱々しいことに気づいた。窓から斜め上を見上げると、高い空に薄灰色のフィルターのような雲がどこまでもうっすらと掛かっていた。今日は海にいけないな、という気がした。茶を飲みながら新聞を読んだ。中身は何にも覚えていない。そして両親は身支度をして、病院に出かけていった。僕は放り出した新聞を手に取った。今日の天気を知りたかった。降水確率五十パーセント。降水確率というのは何か変だ。五十パーセントならまず間違いなく雨が降るような気がする。単なる錯覚だろうか。三十パーセントで降るか降らないか五分五分という感じがするのだが。もしかしたら一ミリ以下の雨に入っていない分なのかもしれない。そのあとはずっとネットしていた。

真性引き篭もり」が更新されない。何かでかいエントリーでも書き溜めているのだろうか。それともさすがにブロックブログに愛想を尽かして、他のブログに移転するための下見でもしているんだろうか。

両親が帰ってきて程なく雨が降り始めた。今まで涼しかった風が冷たく感じられた。雨が降り込むので窓を閉めた。窓の外から風に乗って海の匂いがしたような気がした。無性に海に行きたくて仕方が無かった。雨の海が見たかった。けれど、雨の中を濡れて行くほどではなかった。ほんの少しだけ風が入るように隙間を開けておいた。昼飯だというので台所に出て行ったら、なぜか両親はラーメンで、僕だけ冷やし中華だった。どうやら冷やし中華が一つだけ余っていたらしい。すぐに食べてまたネット。「しんせいひきこもり」が「echoplex」みたいにいきなり消滅したらどうしようと恐ろしくなって、WeBoXでサイト丸ごと取り込んだ。

雨が地面をなでる音を聞きたくて、何度も隣の部屋のベランダから外を見た。すぐ近くの花壇の、痩せて頭の垂れたひょろ長い向日葵が雨に打たれて、もっと重そうに頭を垂れていた。

夕飯の少し前に疲れて少し眠った。といっても三十分ほどだけど。夕飯のとき、親父が九月から新しい職場で働くことについて話した。そして明日は焼肉を食べに行こうか、切り出した。僕はうなずいた。すぐ近くの焼肉屋で、明日飯を食うことになった。まあ、親父が肉を食いたかったというのもあるんだろうけど、新しい職場に移るとあまり家に帰れなくなるから、その前に家族でどこか行っときたかったんだろう。こうして実際に書いてみると、ものすごくいやな気分がする。別に家族で飯が食いたくないというわけではない。そんなことをもう全く自分では考えつかなくなっていたことが嫌なのだ。何で家族で外食しようという考えが浮かばなかったのか。飯というのは母が作ってくれて台所で食べるもの、という意識で固まってしまっている。恐ろしい。check*padに「家族で出かける」とか入れておこう。それを自分で切り出せるかが問題だけど。まあ、イーバンク銀行の話を切り出すよりかは簡単かもしれない。